岡目八目とでも言うか、やはりちょっと距離を置くと客観的に日本の事が理解できるようにもなった。
今現在ハワイで私が仕入れる事の出来る日本の情報は、インターネットからがほとんどだが、日系のテレビでも民放とNHKのニュースを見ることが出来るし、「報道2001」のような政治番組も見れる。
アメリカに来て、「ふーん、アメリカはこうなんだぁ」と思うことは多いが、色々な国の人々と交流していると、「なんだぁ、こうじゃないのは日本だけかぁ」と気付く事も多い。
ある意味では日本は世界の中でもかなり変わった国だと思う。
巨大な中国や朝鮮半島に飲み込まれずに歴史を築いて来たし、技術力と言う点では世界に誇れる国だ。
しかし江戸時代の士農工商全てで上下関係のとても厳しい社会があり、上の命令に従って生きるという体制が長く続き、民主化された今でも民衆自身が日本と言う国の大局を真剣に考えてきたとは思えない。
私腹を肥やす事だけを考える政治家は減ってきた気もするが、何でも先送りする駄目な政治家は全く減らず、今、そのツケが色々な形で現れている。
「戦争を知らない子供たち」を聴きながら育った小学校時代には、これからの社会、世界はどんどん平和になり、世の中はどんどん進化して行くのだと思っていた。
朝鮮戦争もベトナム戦争も、日本は何も言う事は出来なかった。
「特需」と言う言葉を教わっただけである。
しかしそれもいつの間にか終わり、アジアには一見平和が訪れたようになった。
第2次大戦中に日本がアジア諸国に酷い事をしてきたと言う事は教わった。
そしてその罪滅ぼしの為にODAと言う形で橋や道路を作ったりしてきたと言う事も教わってきた。
日本自身も戦後の復興で、今の繁栄を築いて来た。
ソ連邦は崩壊し、ベルリンの壁も無くなり、東西の冷戦も終わった。
日本としては東アジアの国々と仲良くして、経済共同圏を作りたいとさえ思っている。
そこで最初に出てきたのは北朝鮮の問題だ。
南北朝鮮統一が先に進まず、日本としても何かやりたいが、今まで放置してきた人質、いわゆる拉致問題が表面に出てきた。
北の代表に直接会って交渉した小泉首相はある意味凄かったと思う。
交渉が上手かったか下手だったかは色々と意見の分かれるところだが、核開発放棄を求める6カ国協議の進展がなかなか無い現状を見ると、北との交渉は一筋縄ではいかないようだ。
日本がもっと早くから拉致問題に対して毅然とした態度で交渉に当たっていたら、展開は勿論違っていたと思う。
しかし北が問題にしているのは日本ではなくアメリカの動き。
同盟国とは言うが、アメリカに対して日本、韓国は軍事基地を提供して、ソ連崩壊後の今でも北朝鮮や中国に対して威嚇を続けているのは確か。
アメリカの動きについてはアメリカの話でするが、日本がアメリカに対してもいまだに何故このような弱い立場に無ければならないのか。
これもなかなか答えは出てこないが、日本について、また日本人について感じた事を書いていきたいと思う。