「ラウラウ」とは、ハワイアンフードの一種で、肉や魚をティーや椰子の葉で包んで蒸し焼きにしたもの。
チキンやポークが一般的。
しかし私にとって、「ラウラウ」とは、かつて一度だけ飼ったことがある犬に私が付けた名前。
ハワイに来て2年ほどで、私はダイアモンドヘッドクラブを立ち上げ、最初の結婚をした。
まだダイアモンドヘッドクラブだけでは食べて行けない時代で、売出し中の不動産の管理人もやっていた。
今は5分割くらいにバラされている土地だが、ダイアモンドヘッドの麓で、ビーチの目の前の約2000坪の場所だった。
貸し出されている建物もあったが、敷地内には管理人(ケア・テイカー)用の家があり、そこで1年弱暮らしたのだが、その時に番犬として飼ったのがラウラウだった。
アメリカには、日本の保健所のような施設で、「ヒュメイン・ソサイティー」と言う動物を扱う場所がある。
ホノルルにはキングSt.のハワイ大の近くにあり、無料で犬や猫をもらえるのだ。
ちゃんと不妊手術もしてくれて、ICチップも入れてくれる。
スパニエルの雑種で2〜3歳と言われたラウラウは、ボールを投げても知らん振りだったが、番犬としての役目はしっかり果たしてくれていた。
その時はもう一人友人がケア・テイカーとして同居していて、彼はチポリニという猫を飼っていた。
その後、その土地が売られて我々は出る事になり、猫と一緒に引越し先を探す事が出来なかった友人からチポリニを預かり、私と嫁が犬と猫を連れて別の家に移った。
そしてその後私はその嫁と離婚して、しばらく一人でラウラウとチポリニの面倒をみていた。

仕事から帰ってくると、お腹を空かせた2匹が待っていて、やがて元嫁がラウラウを引取りに来てしまうまで、離婚で傷ついた私の心を大いに癒してくれた。
あれから12年ほど。
突然「ヒュメイン・ソサイティー」から電話があった。
ラウラウが迷ってエバビーチを彷徨っているところを保護されたと言うのだ。
ICチップの情報から、私のところに連絡が来たようだ。
まだラウラウが生きていた事も驚いたが、一体エバビーチで何をやっていたのだろう?
元嫁は私と離婚後にすぐに別の男性と結婚したと言う話は聞いたが、その後は会った事も話した事も無く、どこにいるのかさえわからなかった。
連絡先もわからず、彼女がラウラウを探しているのかさえわからない。
ヒュメイン・ソサイティーは電話での照会に応じてくれず、とりあえず来るように言われた。
時間が合わずに、電話をもらってから3日ほど経ってようやく足を運ぶ事が出来た。
この間に元嫁が既に引取りに来てくれていることを願っていたが、他の誰からも照会は無いと言う。
実際問題、元嫁が今でもラウラウを飼っているのかさえわからないが、とりあえず面会を申し込むと、迷い犬の保管されているセクションに案内された。
10数年振りのラウラウはすっかり老犬と化し、衰弱していた。
私のことももう誰だかわからないようで、反応は無い。
「連れて帰るか?」と言われたが、私がラウラウと別れた事情と、私の今の住まいでは犬を飼えない事を説明すると、権利を放棄するしかないと言われた。
今後誰かがラウラウを引き取りに来たりしてもそれを知る事は出来ないそうだが、仕方なかった。
衰弱が激しく、また別の人にもらわれる可能性は低いと思う。
それまでの保管料と手続き料などを請求されたが、それとは別に、あるだけの寄付も置いてきた。
元嫁が今も探していて、ICチップを思い出してヒュメイン・ソサイティーに連絡してくれればと切に願うが、天国に旅立つ前に最後のラウラウの顔を見れたような気もする。
posted by じゅにーK at 10:36| ホノルル ☀|
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