今夏ごろから企画を始めた「神社仏閣ツアー」は、絞込み段階に入ってきて、本格的に動き出した。
明治元年に日本人がハワイへの移民を始め、その後現在「ハワイ日本文化センター」のあるモイリイリ地区では人口の8割が日本人という状態にまでなる。
明治36年にヌウアヌに「布哇(ハワイ)大神宮」が出来て以来、明治大正期にはハワイには50以上の神社があったそうだが、戦中戦後の統廃合を経て、現在は9つまでに減ってしまった。
そのうちオアフ島には5つが残っている。
さらにほぼすべての宗派を網羅した日本の仏教系のお寺は40以上もあり、今までの日系移民の人達の力により立派に作られ、維持され、今も信仰を集めている。
ハワイに何度か訪れたことのある方なら、歴史的知識は無くても、戦前から続いている日系人の足跡に触れたり感じたりしたことはあるだろう。
「スパム結び」なんて言う食べ物の名前だったりするかもしれないが、「盆ダンス」位まで行ってしまうと、ハワイではもう宗教行事に近いので、日本のお寺の存在も知ることになる。
何しろ7年住んでいる今の私のアパートのすぐ隣には「真宗ミッション」というお寺があり、夏の盆ダンスは恒例。
中の講堂を使って空手レッスンやカラオケ教室なども毎週行っていて、コミュニティーが存在していることは良くわかる。
実は私は宗教については勉強はしたことがあるが、あまり興味は無い。
無宗教というより「『自然』教」かな?
自分の内部に神を見つけて問いかけるという感じ。
信仰心は持つようにしている。
もちろん自然との対話も大事。
まあ、「精神世界」に興味を持っているうちに、こんな感じになる人は多いと思う。
しかし、神社の空気やお寺の建築物には無条件に心を開放させるものがある。
それがハワイの歴史や自然と混ざり合った物を、見てみたいという人がいても当然だろう。
昨年100周年を迎えた「ハワイ出雲大社」や、お守りの評判が良い「ハワイ金刀比羅神社」は実際に訪れているハワイリピーターが増えているそうだ。
そこでダイアモンドヘッドクラブとしては、これらハワイの神社仏閣を回るツアーを企画することにした。
まだ順番などはっきりしていないのだが、今まで下見に行った物をご紹介したい。
最初は私の家からもすぐ近所の「ハワイ石鎚神社」。

四国に本社がある神社だそうで、キングストリート沿いにある街中の神社は、土地利用がぎりぎりで参道が曲がっている、のではなく、魔物が真っ直ぐに入ってこれないようにわざと曲げてあるそうだ。

数年前の元旦に初詣に行って以来、毎年正月だけでなく時々参拝している。
元日はお払いが受けられ、普段はしまっている参道の店(と言うのかな?)でおみくじやお守りが売られて、お神酒まで頂ける。

本殿の入り口に賽銭箱が置かれ、そこにセルフサービスのおみくじ販売があるのだが、そこに小さな扉がついている。

神様も猫には勝てないようで・・・。
続いてはマキキのペンサコラ・ストリート沿いにある「マキキ・キリスト教会」。
見よ!この勇姿!

キリスト教なのに城!
これは高知城とそっくりなのだそうだが、ちゃんと十字架は着いている。
神社でも仏閣でも無いのだが、ここは全米最大の日系キリスト教会だそうで、何しろインパクトが強い。
そこでツアーでも皆さんに訪れていただきたいと思っている。
入り口も城!

天井も城!かな?

次はH-1フリーウェイ沿いの「ハワイ金刀比羅神社」。
日本では「金毘羅」と書くのが一般的だが、こちらは昔の書き方らしい。

太宰府天満宮と一緒になっているのだが、金刀比羅さんがメインのよう。

フリーウェイからだと屋根しか見えないが、雰囲気の良い神社。

お守りを買おうと思ったのだが、ひっそりとして誰もいなかった。

ここからダウンタウンに向かい、チャイナタウンに隣接するワイオラニ川沿いの「ハワイ出雲大社」。

明治39年に設立され、昨年100周年を向かえた。

やはり本殿は厳かな雰囲気だが、電光板の印がハイカラ。

今度はパリ・ハイウェイ沿いの「本派本願寺」。
こちらも立派な建物。

親鸞聖人も立っている。

法事かな?とも見える人達の出入りはあったが、一般人が拝めるような場所は見当たらなかった。

同じくパリ・ハイウェイからちょっと入ったところにあるのは「布哇(ハワイ)大神宮」。

少し寂れた感じはあったが、ハワイの日系神社では最も古い明治36年設立。

本殿はもちろん今も使われていて、

おみくじは自動販売機!

本願寺近くのヌアヌ・アヴェニュー沿いにあるのが「ハワイ曹洞宗別院正法寺」。

建物は立派で、この辺りは寺院や墓地も多いのだが、ここはひっそりとしていて、やはり一般の人は中に入れないようだった。
コミュニティはしっかりとあるようだ。

この近くに「ホノルル・メモリアルパーク」と言う霊園がある。
相当数の日本人のお墓があるのだが、ここにはこんな立派な三重の塔がある。

さらには金閣寺や銀閣寺にも似たこんな建物もあるが、いずれも寂れた雰囲気で、なんだかもったいない。

そしてカネオヘの「テンプル・ヴァレー」にある「平等院」。

ここは入場料がいるのだが、一般人が鐘を付ける。

本殿には大仏が鎮座。

横には日本とインドと後は東南アジアがごちゃ混ぜになった、なんちゃってな売店があり、アメリカ人観光客に出鱈目な情報を与えている気もするが、池に大きな錦鯉がいたり、黒鳥がいたりで、結構楽しめる。
そして、日系の神社仏閣だけでは物足りない気がして、ハワイアンのヘイアウ(遺跡)もひとつ加えてみたのだが、オロマナにある「ウルポ・ヘイアウ」。

ここはオアフ島最古の神殿で、ヘイアウ建造当初はカワイ・ヌイの農作物の豊作祈願のため、農耕の神様「ロノ」を祭る場所として使われていたのではないかと考えられている。
その後首長たちの神聖な出産場所としても使われていたと考えられているが、カメハメハ1世がオアフ島を征服した1795年以降は戦争勝利祈願のための人身御供が行われていた神殿でもあるらしい。

石を積み上げただけだが、規模の大きさに驚く。
神聖な場所だけに空気は張っている。
リスペクトは忘れないように。

とまあ、こんな感じで絞ってきた。
出来ればチャイナタウン辺りでランチを食べて、9時から3時位までのツアーに仕上げたいと思っている。