日本のニュースでは「日本の悲願」と言われている国連安保理の常任理事国入りの問題だが、外から見ているとどうも冷めてしまう。
確かに今の国連安全保障理事会は第二次世界大戦の戦勝国を基準とした昔の体制で、現在の世界情勢はそこには収まり切れていない。
日本がドイツ、インド、ブラジルと組んで、アフリカを入れた6カ国を増やす案を出しているのは如何にもバランスが取れているようにも見えるが、それに消極的な国や反対の国もある。
日本は戦後、高度経済成長を遂げた後、世界中にODAをばら撒いて戦争の罪滅ぼしをしてきた。
しかしそれは日本企業を海外に進出させる為には大事な事で、実際に多くの日本企業が海外で成功してきた。
東南アジアでは橋や道路を作り、貿易も盛んになって、日本に対する印象も悪くなくなり、観光客が行くようになってさらに外貨を落とし、国連問題でも応援してくれている。
だが反対しているのはすぐお隣の韓国と中国。
どちらの国も内政問題から国民の目を逸らす為に日本を槍玉に挙げている点もあるが、結局今まで日本政府が毅然とした態度を取れなかったことが原因だと思う。
中国に関しては何しろ一党独裁の国であるから、教育方針といった政策はナショナリズムを中心に考えられている。
先日中国で日本に対する暴動があった時は私も上海にいる友人をとても心配したが、実際は大した事がなかったようだし、都市部の中国人は逆に迷惑がっていたと言う。
サッカーの試合の時も騒ぎがあったようだが、これらの抗日の動きはかえって将来の中国を傷つけるということがわかれば、政府も半日教育の方向を変えるのではないかと思っている。
何しろオリンピックや万博を控えて、経済成長を一気に加速させたいと思っているに違いない中国にとって、日本を敵にするのは良策ではないし、ましてや戦争など何の得にもなら無いからである。
韓国に着いては「韓流」などと、日本内では大変良いムードだっただけに水を差した。
しかしここでも第2次世界大戦が問題になっている。
さらには小泉首相の靖国参拝問題。
これらも結局今までの日本政府が何でも先送りにしてきたツケなんだと思う。
中国としては、今の日本人が悪いのではなくA級戦犯が悪かったのだと言う考えで国交を正常化させて一応戦後の仲直りをしたのが、総理大臣がA級戦犯をお参りするとは何事か!と言う立場。
誰がどこにお参りに行こうが、信教の自由。
それを他の国の人が言うのはやっぱり変。
ただ、過去にほとんどの総理大臣が参拝していなかった事で、前例を作ってしまった。
他から見れば「何か考え方が変わったの?」と思われても仕方ない。
もともと国の慰霊施設として作られた靖国神社を一般の宗教法人にしてしまったのは戦後処理に当たったアメリカ。
アメリカは憲法問題にしろ、自分がまいた種で日本がどれだけ今大変な状態になっているのかわかっていない。
そこで日本は独自に自分たちを変えていくしかないのだ。
靖国神社はA級戦犯の分祀を拒否しているが、東京裁判の正当性やサンフランシスコ講和条約の受け入れ方によってはそれも理解できる。
新しい国家追悼施設と言うのは現実的でないというが、結局はこれが一番必要なんだと思う。
私の意見としてはもう一度靖国神社を国家施設にしてしまうのがイイと思う。
そうすれば天皇陛下も参拝できるようになるではないか。
まあ、この話は今後さらに見守っていかなければならないし、戦後の歴史認識もある程度は一致させなければいけないと思うのだが、それらをネタに反対されている国連の常任理事国入りは本当に日本に必要なのだろうか?
世界中の国に対してどれだけ貢献したかで理事国入りを望んでいるのなら、常任理事国は国連内で選挙を行って決めるように変えれば良い。
核兵器を持っている国だけが常任理事国になれるのなら日本は無理。
国連改革は現在の常任理事国の権益を奪う事になりかねないのだから、どうやってもまともなアイデアは出てこないだろう。と私は悲観的。
結局日本は「常任理事国」と言うブランドを欲しがっているだけのようにも見える。
先進国と言ったって、借金だらけのこの国でなぜ子供が毎年減っているのかをよく考えなければ、国連どころの話ではなくなる。
実際に一番内政問題から国民の目を逸らそうとしているのは日本かもしれない。